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メディア事業部 松川令奈と著作権について考えよう!~知的財産振興協会(IPPA)事務局長に話を聞いてきました~

2022.12.02
インターネット
SODクリエイト メディア事業部 松川令奈

皆さん、こんにちは!SODクリエイトのメディア事業部で働く松川です!今年の4月に入社したばっかりですが、業務を多く任され、きびきび働いています!

そんな折、上長から著作権保護啓蒙サイトのコンテンツの取材をしてみないかと言われ、なんと各AVメーカーの著作権を取り締まっている知的財産振興協会(以下、IPPA)の事務局長様と対談させていただきました!大変緊張していますが、私もAV出演をした身なので、気を引き締めてお話させていただきました!

本日はお時間を作っていただきありがとうございます!はじめまして、SOD女子社員からデビューした、メディア事業部の松川令奈です!

はじめまして。本日はよろしくお願いいたします。

知的財産振興協会 事務局長様

早速なのですが、IPPAでは著作権保護活動をされていらっしゃいますが、いつごろから活動されていらっしゃるのでしょうか?

そうですね。生い立ちからお話いたしますと、元々IPPAの活動自体は2009年、組織としてNPO認定されたのが2011年ですね。

活動自体は13年ということですね!長いですね!

元々は審査団体の人たちで海賊版に対処しようという流れがありました。そこで対策するための組織、IPPAの前身が設立され、今でも各メーカー様の著作権を守るために日々啓蒙活動を行っています。

著作権保護活動とは具体的に何をされているのでしょうか?

主にやっていますのは、警察と協力し日本国内の違法店舗の情報提供、警告、摘発の要請などをしています。また海外でも店舗摘発を行っており、主に台湾で台湾IPPAという専門組織を置き、活動しています。

海外でも行っているんですね!

台湾では日本のAVがすごく人気で、人気がゆえに海賊版AVが横行していました。1999年に現地の最高裁にて「AVに著作権はなし」との判決がでており、それによって違法業者の勢いに拍車がかかってしまいました。我々は判決を覆すために長年活動し、2014年に知財裁判所にて著作権が認められる判決を勝ち取りました。今では現地の警察の方と摘発活動を随時行っています。

私、あまり違法店舗に詳しくないのですが、実際に違法店舗は国内にどのくらいあるのでしょうか?

もちろん、我々の知らないところで違法店舗は存在しますので全部でどのくらいかは答えかねますが、年に1件~5件ほど店舗が摘発されています。主に大阪の日本橋が多いですね!

なぜ、大阪・日本橋が多いのでしょうか?

そこに関しては警察の方ともお話していますが、いまだに原因は分かっていません。過去には歌舞伎町でも違法店舗というのはたくさんあり、それも同様、理由は明らかになっていません。推測にはなりますが、過去、違法店舗がその地域に存在していたら、しだいに海賊版DVDを購入する人たちが集まるようになりますよね。すると、その地域に海賊版DVDの需要が高まってしまうので、結果、その地域に違法店舗が多くなってしまう。おそらくそんな感じなので、大阪日本橋に多いというのも、もしかしたら土地柄というわけではなく、昔から違法店舗があったというだけなのかもしれません。昔に比べると、大分減った方だとは思いますが、なかなかなくならないものですね。

昨今ではインターネットの発達により、昔よりも無料で見れしまう時代ではありますが、それに関してもIPPAでは対応なさっているのでしょうか?

もちろんです。むしろ、IPPAではインターネットパトロールに力を入れておりまして、パトロールスタッフを配置し、インターネットに蔓延る海賊版を見つけ次第、削除の要請を出しています。

インターネットの海賊版はどのくらい出回っているのでしょうか?

インターネットの被害は色んな類型に分けられ、動画を押したらすぐ見られるものや、ダウンロードをして見られるもの。DVDを焼いて、ヤフーオークションで売るということもできてしまうので、我々が行っているのも氷山の一角でしかありません。我々が2021年に対応した海賊版のコンテンツ数は約275万件です。

275万件!そんなに多いのですね!

ここまで多くなったのには、やはりインターネットの発達が大きいのではないでしょうか。家にパソコンがあれば、データを加工できますし、それにすぐにアップできてしまうプラットフォームもあります。やっているのは日本人だけとも言えず、海外の人も違法コンテンツを作り、アップしています。ある意味、全世界の人間がこぞってアップしているので、なかなか追いつきませんね。

アップされては消し、また別の誰かがアップしては消しを繰り返して、イタチごっこになっているのですね。根気強く続けて行くしかないのでしょうか?

IPPA側では根気強く続けていくしかありませんが、IPPAには数多くのAVメーカー様が会員としていらっしゃいます。大きいメーカー様から小さいメーカー様まで。小さいメーカー様で対応できないところを我々IPPAが作成した通報フォームとバナーをお配りし、ユーザー様からの通報をIPPAに繋ぐような連携をしています。そうすることで業界全体が取り組んでいるという社会へのアピールにもなりますし、海賊版の情報もIPPAに集約でき、我々も対応しやすいです。そういった地道な活動を継続していくことが、海賊版撲滅に必要なことだと考えます。

そのほかに変わった通報とかありましたでしょうか?

そうですね。カタログについての通報もたまにありますね。

カタログ…ですか?

これ昔からありますが、各ご家庭にDVD番号が書かれたハガキを配って、その注文番号に〇を書いて、返送すると注文できるという形式の違法販売ですね。

初耳でした!そういう手法もあるのですね!

AVを購入する層にはインターネットが使えないお年寄りの方もいらっしゃるので、そういう方向けに販売しているんでしょう。たまに事務所あてにメーカーさんと勘違いして、『お宅はDVD販売をしていないのか?』というお電話がありますが、聞くとインターネットを使わないという方がちらほらいるので、まだ需要はあるのだと思いますよ。

私も働いていて、たまにそういった電話をとることもありますが、IPPAにも購入希望の電話とか来るんですね!

いただきますね(笑)。映像内に通報用の電話番号が記載されているので、それで勘違いされているのではないでしょうかね。もちろんIPPAではDVDを取り扱ってはいないし、だからと言って無下にもできないので、お近くの正規の店舗を調べてユーザー様にお伝えすることもあります。

※IPPA事務局はDVD販売店ではございませんので、DVD目的でのお電話はお控えください。今回はあくまで問い合わせの一例としてお話いただきました。

では続きまして。違法コンテンツが出回っている世の中でありますが、それによる実際の被害を教えていただきたいです。私が思いつく範囲だと、各メーカー様の売上もとい、女優さんへの見返りが少なくなってしまうとかあると思いますが…。

売上が減ってしまうのはおっしゃる通りです。ただそれ以上の被害があるとすれば、作った人たちのコンテンツが軽くなってしまうということ。コンテンツが軽く見られてしまうから「違法サイトで見ても問題ない」という意識が根付いてしまうのです。今の時代、「AV女優 無料」と検索するとすぐに見れてしまうのも問題で、それは業界として、金銭以上の目に見えない被害なのではないでしょうか?もちろん、松川さんもAV出演をしているとのことですので、なんとなく分かると思いますが、自分の作品が一般の人に無料で見られてしまっていたらどう思いますか?

とっても悲しいですね。AVが好きでこの業界に入ってきて、出演もさせていただきましたので…それが無下にされた気分になりますね。

女優さんは身体を張って出演しているわけで、それに対して軽く見られるのはプライドが許さないでしょう。

それこそ、近年だと映画の要約した内容を実映像付き5分~10分くらいの動画でYouTubeに投稿されたり、もっと前だとマンガが無料で読めてしまうサイトもありましたよね。

それも、作家や出版社が訴訟を起こしたことで世間が注目しましたね。やはり世間に正しさを理解するためにAVも負けじと声を上げる必要がありますね!

すごく熱いお言葉ありがとうございます!次の質問なのですが、違法コンテンツは何故なくならないのでしょうか?

お金になるからが一番大きいと思います。一部の愉快犯を抜きにして、AVは人の欲に直接結びついているコンテンツなので、食事と同じでお腹が減ったらお金を出しますよね。言うなれば、全世界の男性が顧客となりうるわけです。単純に全世界の人口半分が男性だったとしましょう。するととんでもない金銭市場になってしまいますよね。

先ほどもおっしゃっていましたが、需要があるから売る人が増えるということですね。では、最後になりますが、違法コンテンツを撲滅するために、業界ではなく一般の人が出来ることはありますか?

まずは違法なサイトや店舗で見ない、買わないことです。女優さんが好きで応援しているユーザー様がいるのですが、作品は違法アップロードされた作品を見ている。という話はよくあります。でも、好きなコンテンツ、業界に対して、お金を払わないと業界自体がしぼんでしまいます。AVに限らず一般のメーカーでもそうですが、コンテンツが作られる流れとして、メーカーは制作コストをかけてコンテンツを作り、それをユーザー様が買います。ユーザー様が買ってくれたおかげで制作コストがペイでき、また新しいコンテンツを作ることができます。これが一般の流れですが、現状ですと、顧客がコンテンツの対価を支払わないことによって、次のコンテンツを作る予算は減り、見たいAVが見られなくなってどんどん興味を失われ、買われなくなっていく。徐々に業界全体として衰退していきます。そうなるとユーザー様も困ってしまいますよね。なので、ユーザー様にはこの流れを認識して理解いただくことは重要だと考えます。衰退具合って実はすぐに見えるものでなくて、10年後だったりするのでなかなか実感が湧かないとは思いますが、もし女優さんを応援しているとか、AVが好きとかあれば、ぜひ何かしらの形で対価を支払っていただけると、ユーザー様が見たいAVというものが見られるのではないでしょうか。

最後に素晴らしいコメントをおっしゃっていただき、ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

IPPA事務局長様はAVが好きで、AVを愛しているからこそ、AVに対しての情熱が感じられる対談となりました!違法コンテンツを見ない、買わない。ぜひ、こちらの言葉を心に刻み、AVをご視聴ください!

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